企業再生とは、債務超過や資金収支が赤字等の理由で倒産のリスクが中小企業の原因をクリアし、
改めて事業が軌道に乗るように再生することです。
再生手法には、銀行融資のリスケジュール(返済方法の見直し)、
中小企業再生支援協議会等による私的整理、
そして民事再生、会社更生等の法的整理があります。
中小企業の場合、売上の恒常的減少による本業利益の減少、経費過大、
銀行融資の返済額過大による資金収支の赤字、得意先等の取引条件の変更の影響などの理由によって、
業績が苦しくなっている例が多くあります。
中小企業は、経営者トップの影響力や行動力、そして情熱によって大きく業績が左右することが多くあります。
業績の立て直しができるかどうかはこの点につきます。
その経営者の立て直しの思いを「見える化」することが必要であり、これが経営改善計画となります。
この経営改善計画は、単に「こうなるだろう。こうなるはずだ」という希望的観測の計画ではなく、
計画策定にあたっては根拠に基づく、実行可能な、業績悪化の本質を改善する抜本的な計画が必要です。
経営者や従業員、そして中小企業を取り巻く取引先の協力があれば、十分に再生は可能です。
再生の目途が十分に可能な場合には、「経営改善計画策定支援事業」の利用もご検討ください。
借入金の返済負担等、財務上の問題を抱えており
金融支援が必要な中小企業・小規模事業者の多くは、
自ら経営改善計画等を策定することが難しい状況です。
こうした中小企業・小規模事業者を対象として、
中小企業経営強化支援法に基づき認定された経営革新等支援機関(以下「認定支援機関」という。)が
中小企業・小規模事業者の依頼を受けて経営改善計画などの策定支援を行うことにより、
中小企業・小規模事業者の経営改善を促進します。
本事業は、金融支援を伴う本格的な経営改善の取組みが必要な中小企業・小規模事業を対象として、
認定支援機関が経営改善計画の策定を支援し、経営改善の取組みを促すものです。
中小企業・小規模事業者が認定支援機関に対し
負担する経営改善計画策定支援に要する計画策定費用及びフォローアップ費用について、
経営改善支援センターが、3分の2(上限200万円)を負担します。
再生にあたって、業務の集中や効率化を検討しますが、それでも採算が合わない場合には、
人員を整理することを検討する場合が多くあります。
その場合、整理解雇となりますが、4つの要件を満たさないと法的に争いになる場合も多くあります。
(1)会社の維持・存続のために人員整理が必要
(2)希望退職者の募集等、整理解雇回避の努力を尽くしている
(3)対象者の選定に合理性がある
(4)労働者側との間で十分な協議が尽くされている
長く勤めてくれた社員たちに最大限の敬意を払い、また争いを避けるためにも、
私たちは弁護士や社会保険労務士と協力のうえ、進めてまいります。
中小企業再生支援協議会とは、中小企業の事業再生に向けた取り組みを支援する「国の公的機関」(経済産業省委託事業)です。
「産業活力の再生及び産業活動の革新に関する特別措置法(産活法)」に基づき、47都道府県に設置されています。
中小企業再生支援協議会には
金融機関経験者・公認会計士・税理士・中小企業診断士等の専門家がおり、
こうしたスペシャリストの中から異なる専門性のスペシャリストが原則2人1組でペアを組み、
2時間ほどかけて、事業・財務面等の現状や課題についてヒアリング・分析を行ないます。
その上で、金融機関にどう対応・交渉すべきか、
今後の事業改善のポイントは何かなどとアドバイスしたり、専門家を紹介してくれます。
事業再生はできるが、抜本的な財務体質や経営改善が必要だという場合、再生計画の策定を支援し、
財政支援を受けるべくリスケジュールに向け、金融機関との調整を引き受けてくれます。
流れとしては次の通りとなります。
1 中小企業の了解のもと、メイン行にヒアリングを実施し、
メイン行から再生支援の了解が得られると、その結果を企業に報告し、次の②に進むかどうか確認します(無料)。
2 中小企業からこのまま事業再生を中小企業再生支援協議会で進める場合には、
公認会計士、税理士、中小企業診断士によって構成されるアドバイザーチームを選任します。
各スペシャリストへの費用負担が発生しますが、費用については事前に相談があります。
アドバイザーチームが財務分析、収益計画を策定し、メイン行と協議しながら、事業計画を詰めて行きます。
事業計画案がまとまると、メイン行以外の金融機関に事業計画案を提示し、
全行と協議の末(バンクミーティング)、事業計画を確定します。
中小企業再生支援協議会での再生支援には、取引ある金融機関すべての同意がないと勧められません。
法的整理には、「民事再生」、「会社更生」の再建型と、「破産」、「特別清算」の清算型があります。
私たちは、弁護士や公認会計士などのスペシャリストとチームを組み、その中小企業にとって、なにがベストかを十分に検討していきます。